仮想通貨のガチホとは?長期保有のメリット・デメリットとおすすめ銘柄を解説

この記事では仮想通貨(暗号資産)の投資戦略でよく言われる「ガチホ」について解説します。
- ガチホは、仮想通貨を長期保有するシンプルな投資戦略。
- 短期の値動きに惑わされず、初心者でも始めやすいメリットがある。
- ハッキング対策(セキュリティ)と出口戦略(売り時)を決めておくことが成功の鍵。
- 保有中は税金がかからないが、売却して利益が20万円を超えたら確定申告が必要。
- レンディング等を活用すれば、ガチホ中も資産を増やせる(複利運用)。
【掲載情報について】
2025年9月8日時点の情報を掲載しています。
サービスの都合上「仮想通貨」「暗号資産」という言葉を併用する場合がありますが、どちらも同じ意味です。
本記事では、以下の一覧に記載されている、金融庁・財務局から暗号資産交換業者として登録を受けている業者のみ紹介します。
暗号資産交換業者一覧
仮想通貨の「ガチホ」とは?
仮想通貨(暗号資産)の投資戦略について調べると、「ガチホ」という言葉をよく目にしませんか?
「ガチホ」とは、仮想通貨投資における代表的な戦略の一つです。まずは、ガチホの基本的な意味や、似た言葉との違いについて解説します。
「ガチホ」の意味と由来
「ガチホ」とは、「ガチ(本気)でホールド(保有)する」という言葉の略称です。
購入した仮想通貨を、短期的な価格の上下に惑わされずに長期間(数ヶ月〜数年単位)保有し続け、将来的な価格の大幅な上昇を待つ投資戦略を指します。
もともとは、海外の投資家コミュニティで「HOLD(保有)」を意図的に「HODL」とタイプミスした投稿が広まったことが由来とされています。現在では、仮想通貨を長期保有する投資家を「HODLer(ホドラー)」と呼ぶこともあります。
「長期保有」「塩漬け」との違い
ガチホと似た言葉に「長期保有」や「塩漬け」があります。それぞれの違いを理解しておきましょう。
ガチホ・長期保有・塩漬けの違い
ガチホ:将来的な価格上昇を信じ、積極的・意図的に保有し続ける戦略。
長期保有:ガチホとほぼ同義。投資対象を長期間保有する一般的な投資戦略。
塩漬け:購入後に価格が下落し、売ると損が出るため、売るに売れず消極的・強制的に保有し続けている状態。
ガチホと塩漬けの最大の違いは、その「意図」にあります。
ガチホが将来の利益を狙う積極的な戦略であるのに対し、塩漬けは損失を確定させたくないという消極的な理由で保有が続いている状態を指します。
仮想通貨のガチホは「最強」?メリットとデメリットを解説
仮想通貨投資において「ガチホは最強」と言われることがありますが、それはなぜでしょうか。
ガチホの具体的なメリットと、知っておくべきデメリット(難しい理由)を対策とあわせて解説します。
ガチホのメリット(最強と言われる理由)
ガチホが多くの投資家に選ばれる理由は、主に以下の4点です。
- 少額からでも将来大きな利益が狙える
- 専門知識が少なくても始めやすい
- 取引の手間や手数料を抑えられる
- 短期的な価格変動に惑わされにくい
メリット1:少額からでも将来大きな利益が狙える
仮想通貨市場は、株式や為替(FX)と比較しても価格変動(ボラティリティ)が非常に大きい特徴があります。過去には、ビットコインが1年間で数倍、数十倍に高騰した例もあります。
ガチホ戦略は、この将来的な大きな価格上昇を狙うものです。たとえ投資額が少額であっても、数年後に価格が数十倍になれば、大きな利益(リターン)を得られる可能性があります。
メリット2:専門知識が少なくても始めやすい
数分、数時間で売買を繰り返す短期トレード(デイトレードなど)は、チャート分析や市場ニュースの分析など、高度な専門知識と多くの時間が必要です。
一方、ガチホは「将来性が期待できる銘柄を選んで、長期間保有する」というシンプルな戦略です。購入後は基本的に「ほったらかし」にできるため、投資初心者や日中忙しい会社員の方でも始めやすいのが特徴です。
メリット3:取引の手間や手数料を抑えられる
短期トレードは取引回数が多くなるため、その都度「取引手数料」や「スプレッド(売値と買値の差額)」といったコストがかさみます。
ガチホは、基本的に「購入時」と「売却時」の2回しか取引を行いません。
取引回数が最小限で済むため、手数料などのコストを安く抑えることができます。
メリット4:短期的な価格変動に惑わされにくい
仮想通貨の価格は日々激しく変動します。短期トレードでは、この変動に一喜一憂し、冷静な判断ができなくなって損失を出してしまう(狼狽売り)ことも少なくありません。
ガチホは最初から長期保有を決めているため、日々の細かな値動きを気にする必要がありません。「価格が下がっても、将来上がるまで待つ」というスタンスでいられるため、精神的な負担が少なく、本業や私生活に集中できます。
ガチホのデメリットと対策
メリットが多い一方、ガチホには「難しい」と言われる側面やデメリットも存在します。
必ず対策とセットで理解しておきましょう。
- 利益が出るまで時間がかかる
- ハッキングや取引所の倒産リスク
- 売り時(利確)の判断が難しい
- 機会損失の可能性がある
デメリット1:利益が出るまで時間がかかる
ガチホは長期保有が前提のため、利益が出るまでに数ヶ月から数年単位の時間がかかります。短期トレードのように「今日買って明日儲ける」といった即効性はありません。
【対策】
投資に使うお金は、すぐに使う予定のない「余剰資金」で行うことを徹底しましょう。
デメリット2:ハッキングや取引所の倒産リスク
仮想通貨取引所に資産を預けたまま長期間放置すると、取引所がハッキング被害に遭ったり、倒産したりした場合に、資産を失うリスクがあります。
【対策】
1. セキュリティ対策が強固な取引所を選ぶ:
金融庁の認可を受けており、顧客資産をオフライン(コールドウォレット)で管理しているなど、セキュリティ体制が万全な取引所を選びましょう。
2. ウォレットで自己管理する:
より安全性を高めるなら、取引所に預けっぱなしにせず、インターネットから切り離された「ハードウェアウォレット」などの個人用ウォレットに移して自己管理するのがおすすめです。
デメリット3:売り時(利確)の判断が難しい
ガチホ最大の難関が「やめどき(利確のタイミング)」です。価格が上昇しても「まだ上がるかもしれない」と欲が出て売れず、その後の価格下落で利益を逃してしまうケースは少なくありません。
【対策】
購入時に「いくらになったら売るか」「いつまで保有するか」という出口戦略(売却ルール)をあらかじめ決めておきましょう。詳しくは後述の「仮想通貨ガチホの「やめどき」は?」で解説します。
デメリット4:機会損失の可能性がある
ガチホは長期間資金が拘束されるため、もし価格が上がらなかった場合、その資金を他の投資(株式や別の仮想通貨など)に使っていれば得られたはずの利益(機会損失)を逃すことになります。
【対策】
投資の基本である「分散投資」を心がけましょう。全資産を一つの仮想通貨に集中させるのではなく、複数の銘柄に分散したり、株式や投資信託など他の金融商品と組み合わせて投資したりすることで、リスクを軽減できます。
仮想通貨(ビットコイン)ガチホの始め方・やり方 4ステップ
仮想通貨のガチホは、以下の4ステップで簡単に始められます。ここでは代表的なビットコインを例に解説します。
まずは仮想通貨を購入するために、金融庁に登録されている国内の仮想通貨取引所で口座を開設します。スマホアプリから本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証)を提出すれば、最短当日で取引を開始できます。
口座に日本円を入金し、ガチホしたい銘柄(ビットコインなど)を選んで購入します。長期保有が目的なので、将来性や実績が期待できる銘柄を選びましょう。
セキュリティを重視する場合、取引所に置いたままにせず、個人のウォレット(特に安全性が高いハードウェアウォレット)に仮想通貨を送金して保管します
あとは、あらかじめ決めておいた目標(例:3年後、価格が3倍になったら)まで、日々の値動きに惑わされずに保有し続けます。
最初のステップである取引所選びは、ガチホ戦略において非常に重要です。
長期的に資産を預けることになるため、手数料の安さだけでなく、セキュリティの高さを最優先で選びましょう。

ガチホ(長期保有)におすすめの仮想通貨取引所3選
ガチホ(長期保有)を目的とする場合、以下の3つの観点で取引所を選ぶのがおすすめです。
- セキュリティが高い(顧客資産の分別管理、コールドウォレット対応など)
- 各種手数料(入出金、送金)が安い
- ガチホ向けのサービス(積立、レンディングなど)がある
これらの観点を踏まえ、初心者から経験者まで幅広くおすすめできる取引所を3社紹介します。
ガチホにおすすめの取引所TOP3
安心して長期保有できる取引所を選ぼう
| 1位 SBI VCトレード | 2位 bitbank(ビットバンク) | 3位![]() bitFlyer |
|---|---|---|
| 各種手数料が無料でコスト重視派に最適。 SBIグループの高度なセキュリティ体制で長期保有も安心。 レンディングサービスも提供。 | 取扱銘柄数が国内最多水準。 取引量が多く、有利な価格で売買しやすい。 アルトコインのガチホにもおすすめ。 | 創業以来ハッキング被害ゼロのセキュリティ。 ビットコイン取引量が多く、初心者でも売買しやすい。 1円から積立も可能。 |
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ガチホ(長期保有)におすすめの仮想通貨(銘柄)3選
ガチホする銘柄は、「草コイン」と呼ばれる時価総額が低いマイナーなコインは避け、長期的な将来性や信頼性、時価総額の高さで選ぶことが重要です。
ここでは、ガチホに最適な代表的な3つの銘柄を紹介します。
1. ビットコイン(BTC)
ビットコインは、世界で最初に作られた最も有名な仮想通貨です。時価総額は全ての仮想通貨の中で圧倒的1位を誇ります。
「デジタルゴールド」とも呼ばれ、価値の保存手段として世界中の企業や投資家から認められつつあります。約4年に1度の「半減期」と呼ばれるイベントの後に価格が上昇する傾向があり、長期的な成長が最も期待されている銘柄です。
ガチホする銘柄に迷ったら、まずはビットコインを選んでおけば間違いないでしょう。

2. イーサリアム(ETH)
イーサリアムは、ビットコインに次ぐ時価総額2位の仮想通貨です。「スマートコントラクト」という、契約や取引を自動で実行する仕組みを備えているのが最大の特徴です。
この技術は、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)ゲームなど、様々なWeb3サービスの基盤として利用されています。今後もイーサリアムのプラットフォームが普及するにつれて、通貨(ETH)の価値上昇が期待できます。

3. リップル(XRP)
リップル(XRP)は、国際送金を高速かつ低コストで行うことを目的に開発された仮想通貨です。
すでに世界中の多くの金融機関と提携しており、従来の国際送金システムに取って代わる可能性を秘めています。他の仮想通貨とは異なり、明確な実用(国際送金)がある点が強みで、長期的な需要が見込める銘柄の一つです。

仮想通貨ガチホの「やめどき」は?利確のタイミング
ガチホを成功させるために最も重要で、最も難しいのが「売り時(利確のタイミング)」です。
価格が上がっている時に売るのは勇気がいりますが、明確なルールがないと利益を最大化できません。
あらかじめ、自分なりの出口戦略(売却ルール)を決めておきましょう。
戦略1:目標利益額で決める
最もシンプルで分かりやすい方法です。「投資額が2倍になったら売る」「利益が100万円に達したら売る」など、具体的な金額を目標に設定します。
この方法なら、感情に左右されずに機械的に利確することができます。
戦略2:保有期間で決める
「ビットコインの次の半減期(例:2028年頃)まで保有する」「3年間は絶対に売らない」など、期間で区切る方法です。
仮想通貨市場は数年単位で大きな上昇と下落のサイクルを繰り返す傾向があるため、次の大きな上昇サイクルまで待つ、という合理的な戦略です。
戦略3:市場の過熱感(バブル)で判断する
「テレビや雑誌で仮想通貨の話題ばかりになったら売る」といった、市場の雰囲気で判断する方法です。
一般的に、普段投資に興味のない人までが「儲かる」と騒ぎ始めた時期が価格の天井(バブル)である可能性が高いとされています。やや上級者向けですが、過去のバブル崩壊を教訓にした有効な戦略の一つです。
仮想通貨のガチホと税金・確定申告
ガチホ戦略と税金の関係は、多くの人が誤解しやすいポイントです。正しい知識を身につけておきましょう。
ガチホ(保有)しているだけでは税金はかからない
仮想通貨は、購入してただ「保有(ガチホ)している」だけでは、どれだけ含み益(まだ売却していない利益)が増えても税金はかかりません。
日本円に換金(売却)したり、他の仮想通貨と交換したりして、利益が確定した(生まれた)タイミングで初めて課税対象となります。
売却(利確)して利益が出たら確定申告が必要
ガチホしていた仮想通貨を売却して利益(所得)が出た場合、その利益は「雑所得」として扱われます。(※)
会社員などの給与所得者で、仮想通貨の利益(雑所得)が年間20万円を超えた場合は、原則として翌年に「確定申告」を行い、税金を納める必要があります。
仮想通貨の税金計算は複雑なため、売却を考え始めたら税理士に相談するか、専用の損益計算ツールの利用をおすすめします。
※仮想通貨の税制は変更される可能性があるため、必ず最新の情報を国税庁ホームページや税理士にご確認ください。
ガチホ中の資産を増やす「ほったらかし」運用術
ガチホは基本的に「ほったらかし」の戦略ですが、ただ保有しているだけ(寝かせているだけ)の資産を活用して、さらに利益を狙う方法があります。これが「複利運用」です。
1. ステーキング
ステーキングとは、特定の仮想通貨を保有し、ブロックチェーンのネットワークに参加・貢献することで、報酬として利息(仮想通貨)を受け取れる仕組みです。
イーサリアム(ETH)など、この仕組みに対応した銘柄をガチホする場合、取引所のステーキングサービスを利用するだけで、銀行の預金金利よりもはるかに高い利回り(年利数%〜)が期待できます。
2. レンダリング
レンディング(貸仮想通貨)とは、保有している仮想通貨を取引所などに貸し出すことで、利息(レンタル料)を受け取る仕組みです。
ステーキングに対応していないビットコイン(BTC)なども対象となり、売買せずに保有枚数を増やしていくことができます。ガチホとの相性が非常に良い運用方法です。
- SBI VCトレード
- bitbank(ビットバンク)
- Coincheck(コインチェック
- GMOコイン
※サービス内容や利率は変更されるため、各取引所の公式サイトをご確認ください。
仮想通貨のガチホに関するよくある質問
最後に、仮想通貨のガチホに関してよくある質問にお答えします。
Q1. ガチホはいつまで続ければいいですか?
A. 明確な正解はありませんが、最低でも1〜2年、理想は次の「半減期」(約4年に1度)サイクルを経験するまで保有するのが一般的です。
最も重要なのは、本記事の「出口戦略」で解説したように、ご自身で売却ルールを決めておくことです。
Q2. 途中で買い増ししてもいいですか?
A. はい、問題ありません。価格が下がったタイミングで買い増し(ナンピン買い)するのも有効な戦略です。
ただし、価格が下がり続けて「塩漬け」状態にならないよう、余裕を持った資金計画で行うことが重要です。毎月決まった額を買い続ける「積立投資」も、リスクを分散できるためおすすめです。
Q3. 複利運用はできますか?
A. はい、可能です。
「ガチホ中の資産を増やす運用術」で紹介したステーキングやレンディングを利用すれば、保有している仮想通貨で利息を得て、その利息がさらに新しい利息を生む「複利運用」が期待できます。
まとめ:仮想通貨のガチホは将来性を見据えた長期戦略
この記事では、仮想通貨の「ガチホ」について、メリット・デメリットから具体的な始め方、出口戦略までを解説しました。
ガチホは、仮想通貨の将来的な価値の上昇を信じて「ほったらかし」にできる、精神的な負担の少ない投資方法です。
まずは余剰資金から、信頼できる取引所でビットコインなどの主要な銘柄を少額購入し、長期的な視点で資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。

